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介護レクに書道を選ぶメリット

高齢者向け介護レクに書道を選ぶメリットについて、考えてみました。
1.なじみのある書道に「安心感」
昔のなじみがあるからこそ、取りかかりやすい。
新しいことには抵抗感をもつ方にも受け入れやすい。
それが、書道だと思うんです。
もともと書道がお好きだった方は、「待ってました!」と心待ちにされています。
早い時間から会場に来てくださり、楽しみにして下さってたんだなぁという気持ちが伝わってきます。
参加をためらう方もいらっしゃいますが、「以前のように書けなくなってるのでは..」という不安の気持ちからです。
実際に書かれると、苦笑いしながらも晴れやかな表情が見られます。
「いや~私は・・・。」なんて仰る方がいても、ご本人のお気持ちが傾くのを感じたら、是非介護士さんがプッシュしてさしあげてくださいね。
いきなり取り組むのに不安な方には、見学で雰囲気を感じるだけでもいいですし、半紙の下に手本をしいて、なぞり書きもOKです。
少しずつ、感覚を思い出していけるように進めていきましょう。
2.書道独特の心地いい「緊張感」
書き始める前から書道は始まります。
並べられたお道具を見て、心がきりっとしますね。
ここから利用者さんの心が書道モードになり、背筋がシャンとします。
墨の香り。一本の線に集中する心地よい緊張感。
精神統一の効果もあり、心の乱れも書くことでだんだん整ってきますよね。
無心になって書いた後は、スッキリとした心地よさで満たされます。
書道ならではの良さは、これに尽きるのではないでしょうか。
3.意識することで、体への「リハビリ作用」も期待できること
これは書道レクを始めてから気がついたことです。
書道は座りっぱなしでも、無意識にでも(意識することで更に)リハビリ作用があるのです。
絵画や工芸など、文科系レクはたくさんあり、それぞれの良さがあります。
その中でも書道は、書き始めると不思議と「姿勢が正される」んです。
ある書道の時間の参加者様で、円背のある方がいらっしゃいました。
その方に注目していましたが、半紙と顔の間の距離(イメージ、わかりますでしょうか?)が広く開いたままで取り組めておりました。
集中しすぎても半紙に顔が近づいていってしまう現象は、これまでお目にかかったことがありません。
体を保とうとする力が自然と働くのだと思います。
書道では、体のこんな部分が(良い意味で)刺激されます。
  1. 指先・脳
  2. 腕・肩回り
  3. 背筋
指先と脳はつながっているそうです。
書くことは、細やかな指先の運動。
指先から脳へと心地よい刺激が加わります。
お手本を見て臨書する(=まねて書く)行為そのものが、をフルに使います。
脳を使うことは、認知症予防にも効果があることが認められています。
そして書道では、指先・手先だけではなく、大きな文字を書く時は腕や肩回りも使っているんです。
「さあ、書こう。」と気持ちが引き締まると、自然と背筋も伸びます。
足をしっかり床につければ、上半身のみならず全身通してリハビリになります。
体のこういった部分を使っているんですよ。こんないい影響がありますよ。
と利用者さんに伝えていき、意識しながら取り組んでいただくこと。
書道にリハビリの要素も取り入れられる、より効果的な進め方です。
以上の3点を、高齢者の介護レクに書道を選ぶメリットとして挙げました。
高齢者施設での書道の時間がもっと身近に取り入れられて、有意義な時間となりますように。