今回の記事では「書道レクのお手本選びのポイント」について、お伝えしたいと思います。
手本選びで「本物志向」の書道レクをしよう!
先日「レクリエーション介護士2級」の講習を受けた際、講師の方からこのような印象的なお話がありました。
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ご高齢者は「本物志向」。
レクリエーションでおままごとのような代用品を用意してもすぐ見抜かれますし、気乗りされません。
やるのであれば「本物」で用意しよう。
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高齢者レクで「書道」をすることは、
きっちりと書道セットを一人ずつ用意するだけで、すでに「本物」です。
お道具を前に、席に着く。
そこからもう既に、気が引き締まる思いがしませんか?
この書道の時間をさらに「本物志向」にするためには、
やはり「お手本選び」を大事にしたいと考えています。
書道レクのお手本選びはどこから?
書道レク用のお手本ですが、施設で実施する際に、皆さんどのように選ばれていますか?
手持ちの書道本・・それもなるべく書きやすいもの・・と考えた時に、
小学生用の書写の教科書や、お習字教室の競書本を使用されているケース、
割とあるのではないでしょうか。
その中でも小学生用の習字手本を、高齢者向け書道レクのお手本とするのにふさわしいかどうか?について、実際に見て考えてみたいと思います。
こちらは、小学校低学年の習字のイメージです。「春」という言葉をひらがなで書きました。
大きく書くという意味では、良いかもしれません。
利用者さんに書いていただくことを考えると、何となく合わないと感じられませんか?
次に、同じテーマの「春」の中でも、「春眠」という言葉を書いてみました。
比較してみて、こちらの方が高齢者の書道に合う感じがしませんか?
受け入れられやすく、思わず書いてみたくなる言葉です。
もう一つの例です。
「朝」を小学生の習字のイメージで、ひらがなで書いてみました。
同じ「朝」でも、「朝涼(あさすず)」という晩夏~初秋の言葉を書きました。
ことばに奥行きや風情を感じられて、ご高齢者にとっても、言葉の意味をより具体的にイメージできる気がしませんか?
小学生の習字の手本は書きやすいので、ご高齢の方にも受け入れやすいかもしれません。
ですが、「文字の習得」や「線の練習」の目的から作られている小学生用の習字手本を、
書道に長けている高齢者の書道の手本とするのには、どことなく、雰囲気の違いが否めません。
書いた作品は、施設内の共有部に掲示するケースが多いですね。
来訪されたご家族・ご友人の方が、きっと目にされることでしょう。
そう思うと、趣きや風情ある言葉・五感を刺激するような言葉を選びたいですね。
言葉選びに「統一感」(季節感があると、自然と統一感が出ます)をもたせられると、飾った時に尚いいですよね。
ご高齢者に選ばれやすいお手本って?
では、ご高齢者に選ばれやすいお手本は、どういったものなのでしょうか。
これまでの書道レクを通して、どんなお手本が選ばれやすいか、がわかってきました。
ご高齢者に好まれるお手本選びのポイントは、
「字の雰囲気」と「書きやすさ」です。
具体的には・・
①風情あるもの、響きのきれいなもの
②複雑すぎないもの、簡単すぎないもの
②は、結局どっち?!とつっこまれてしまいそうですが・・。
「難しくない字にしてね。」
「線が少ないとかえって上手に見えないから、簡単すぎてもね・・」
という声が多いのです、とっても。
書道レクの言葉選びはどこから?
「お手本に使う言葉選びはどこから?」という点についてもお伝えしたいと思います。
季節の図鑑や、年中行事の言葉を集めた歳時記などを参考にされると良いです。
日本ならではの美しい言葉がたくさんあることを知れて、楽しいですよ^^
利用者さんとの話題が広がりそうな、季節の言葉を見つけてみてください。
【この記事のまとめ】
- 小学生用の習字手本は、ご高齢者の雰囲気に合わないと感じられるものが多いため、なるべくなら使用を控えること
- 書道レクのお手本を用意する際には、「字の雰囲気 」「書きやすさ」を意識する
- 飾った時のことを意識して、皆さんの作品全体から<統一感>を出せるとなお良い
- <風情ある言葉><文字の雰囲気から、季節が想像できるもの>を選ぶと、より格調高い書道の時間になる
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