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書レクエピソード*筆を一緒に持ったら...

先日の書道レクでのあるエピソードです。
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書道レクは初めてのご参加の方でした。
手本を見ても気乗りされていませんでしたが、ご本人のタイミングで1枚、書きあげました。
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Aさん:「手が震えて全然ダメ。見たくもない。」
思った以上に字が小さくなってしまうようで、見せて頂こうとすると、紙をたたんでしまわれました。
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私:「もう一枚書いてみませんか」
新しい半紙に、一緒に筆を持たせていただき、最初の横線だけ書きました。
私:「しっかり書けましたね!!」
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それを少し眺めて、こうおっしゃいました。
Aさん:「私は書いていない。あなたの字よ。」
筆から手を離してしまい、機嫌を損ねてしまわれました。
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私:「一緒に筆を持って、Aさんも書きましたよね。
表情は固く、返答なかったのですが
少しご様子伺いながら、また声をかけました
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私:「最初の横線がとてもいいので、続きを書いてみませんか」
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「どれ書くのよ」とちょっと怒り口調ながらも
1枚目よりいい線で、さっさっと書き上げられたのです!
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この方、書道に慣れた方のようで、名前は旧字体の仮名ですらすらと書かれると、にっこり。
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「これでいいでしょ。」
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最後には、すっきりとしたお顔に見えました。
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この方には、あと一押しで書いてもらえそうだったことと、
書けたという小さな達成感を味わってほしかったので、私もアプローチを積極的にさせて頂きました。
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中々書かれない方への、押し引きのタイミングが難しいといつも感じます。
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書き上げることが全てではないし、書道が久しぶりの方には様々な思いがあるので、無理強いするべきではありません。
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ですが、「無理!」という方であってもすぐ引き下がらずに、傍から見ながら声かけしていきたいですね。
ちょっと勇気を出して頂いて、最後に完成したら嬉しいものですよね。
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今回、Aさんからそのことを学ばせて頂きました。ご参加、本当にありがとうございました。