手本に頼らず書いてみる

3月書道レク。今回は初めての試みを導入しました。 

 

お手本なしだったら、書いていただけるかどうか。

  • お習字といえば、手本を横に置いて、見ながら書くもの(=臨書、のスタイルが馴染んでいる)
  • 手本がないと「何書いたらいいの?」と言われ、書いて頂けない。

そうなのだから・・と思い込んでいましたが、施設の方のアドバイスを受けて見方が変化しました。

 

ご高齢の方が、昔ながらのお習字に感じる安心感や懐かしさ。

それを再び叶える機会を作りたい。

これまではそういうスタイルで、季節の言葉の手本を用意して、実施してきた書道レク。

 

参加者さんを見ていると、本当に手本をよく観察して書いて下さっている方が多いです。

お習字の臨書のスタイルが身についていらっしゃることが、よくわかります。

字形、トメ・ハネ・はらいの細部まで、同じように書いてくださるのです。

 

ですが、敢えて「昔ながらのお習字」にこだわる理由はなく、

変化をもっと積極的に取り入れていってもいいのかもしれません。

それでこそ書道「レク」、なのだと気がつきました。

 

 

高齢者向け書道レクで目指したいこと。

それは、参加者さんに、書道の時間で「楽しかった」という満たされた思いを感じていただけることです。

 

「思うように書けなかった、、」と、もやもやした思いを残したまま終わってしまうのは、申し訳なく、残念です。

 

手本がなければ、ご自分の字を、ご自分のペースでのびのび書いていただけるのではないだろうか、と期待しています。

頭も使いますし、何を書こうかと考えて、沢山わくわくもします。

 

 

これまででも、ひとしきり書き終えた後にさらさらと仮名書を書かれる方や、

手からあふれるように流暢な文字を書かれる方がいらっしゃいました。

 

そういう書にこそ、その方らしい魅力があり、大事にしたいと改めて思いました。

 

「手本と半紙との目線の往復は疲れる。」

もう一つのきっかけでもあるのが、参加者さんのこの反応。

 

そうか、手本を横に置いて、ひとつの線・点ごとに見ながら書くということは、

結構複雑で、疲れることなんだ。と気がつきました。

 

認知症の方などで、同じ線を繰り返し書かれてしまい、戸惑われる方がいらっしゃいましたが、

この現象の理由も、これが答えなのかもしれません。

 


★3月の書道レクで、いつもより手本を少なくご用意し、後半は「お手本なし」で実施してみました。

 

「何かいい言葉ない?」と聞かれ、しばらくの間筆を置いたまま思い巡らされていましたが、

ふと筆を持たれると、ご自分でこんな風に書かれました!

お名前も書かれましたが、ご自分の名前ではなく。お尋ねすると

「いつも世話になってる方。」

ケアマネさんのお名前を書かれていました!

 

更に次の一枚へ。いつも会話の中で、ずっと住んでおられた奈良のお話しをされます。

そこで生まれた、「奈良の四季は美しい」という言葉。

 

心の中の思いが、字として乗せられ、ご本人のお顔もほころんで、嬉しそうに見えました。

楽しくなってこられたようで、奈良のお話しをしながら、どんどん言葉を足して書いていかれます・・。

 

「奈良の四季は美しい

若草山大仏殿 あなたはどこへ行きますか? 鹿もおともに さてさて さてさて」

と書かれています。

どんな言葉が生まれるんだろうと、わくわくして見させていただきました!

とても楽しい書作品が出来上がりました(*^_^*)

 

他の方も、俳句や童謡など、春らしい作品がご自分の手からあふれ出てきます。

さらさらとご自分の字で書かれ、勢いや表情を感じられます。

 

 

今後は、手本を用意しない代わりに、どのようにお声掛けしながら進めていくかが課題です!

 

手本に頼らない、自由な書道。

これから積極的に取り入れていきたいと思っています。