書道ならではの魅力について、高齢者の方におすすめしたい理由も交えて考えてみました。
1、シンプルな中ににじみ出る「味わい」
白と黒。書道の基本はその二色の組合せです。
まっさらな半紙の「白」に向かい合ったとき、
心が清くなったような、原点に帰ったような心地になります。
そこに墨で、対極の「黒」をのせていく、潔さ。
この作業を通して、意志の表現ができます。
このシンプルさが心落ち着かせ、静めてくれる効果があるように感じます。
利用者さんの書道作品を見ていると、
ふとした一本の線や点画に、その人自身の味わいが自然と滲み出ています。
年を重ねたからこその味わいは、高齢の方でないと表現できない、見応えあるものです。
シンプルな色、シンプルな言葉で
(誰が書いても同じ色、同じ言葉なのに)
どこまでも多彩に表現できるのが、書道の魅力です。
ご高齢者の書かれたものにはその魅力が顕著に表れ、伝わってくるものがあります。
2、一瞬の仕上がり
書道の独特の緊張感、自然と背筋の伸びる感じは、「一瞬の仕上がり」から生まれるものなのかもしれないと思っています。
そこにある緊張こそ、書いた後の爽快感なのですよね。
ある時の書道レクの風景です。
「消しゴムで消したいわ」の利用者さんの言葉に、お隣の男性の方がひとこと。
*
*
「書く」「描く」の色々・・・絵手紙や、絵画、筆ペン、墨絵など。
それぞれの楽しみ方がありますが、
書道では、書道ならではの空気感を 存分に楽しみ、味わい尽くす。
そのことを意識して利用者さんにも伝えられたら、もっと素敵な書道レクの時間が過ごせそうですね。
コメントをお書きください