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書道ならではの魅力って?

書道ならではの魅力について、高齢者の方におすすめしたい理由も交えて考えてみました。

 

1、シンプルな中ににじみ出る「味わい」

 

白と黒。書道の基本はその二色の組合せです。

 

まっさらな半紙の「白」に向かい合ったとき、

心が清くなったような、原点に帰ったような心地になります。

 

そこに墨で、対極の「黒」をのせていく、潔さ。

 

この作業を通して、意志の表現ができます。

 

このシンプルさが心落ち着かせ、静めてくれる効果があるように感じます。

 

利用者さんの書道作品を見ていると、

ふとした一本の線や点画に、その人自身の味わいが自然と滲み出ています。

 

年を重ねたからこその味わいは、高齢の方でないと表現できない、見応えあるものです。

 

シンプルな色、シンプルな言葉で

(誰が書いても同じ色、同じ言葉なのに)

どこまでも多彩に表現できるのが、書道の魅力です。

ご高齢者の書かれたものにはその魅力が顕著に表れ、伝わってくるものがあります。

 

 

 

2、一瞬の仕上がり

 

書道の独特の緊張感、自然と背筋の伸びる感じは、「一瞬の仕上がり」から生まれるものなのかもしれないと思っています。

そこにある緊張こそ、書いた後の爽快感なのですよね。

 

 

ある時の書道レクの風景です。

「消しゴムで消したいわ」の利用者さんの言葉に、お隣の男性の方がひとこと。

 

「書道は一期一会だから」
 
心に残る言葉でした。
二度書きができず、一瞬の線で勝負する書道は、
そのときの心の状態が、ダイレクトに表れるので
書くのも、見るのにも勇気がいるものです。
 
その時書いた1本の線は、一度きりのもの。
紙に墨が乗せられて、その時しか書けない作品となります。

 

いま ここで過ごした時間、感じた思いを作品に残し、
今日の1ページとして心に刻んでいく。
とっても素敵な時間が流れていることに気がついた出来事でした。                

  

 

 

 

「書く」「描く」の色々・・・絵手紙や、絵画、筆ペン、墨絵など。

それぞれの楽しみ方がありますが、

 

書道では、書道ならではの空気感を 存分に楽しみ、味わい尽くす。

 

そのことを意識して利用者さんにも伝えられたら、もっと素敵な書道レクの時間が過ごせそうですね。