「手がふるえちゃって書けないの」

手のふるえで、書く自信をなくしてしまわれる利用者さんがいらっしゃいます。

そんな時にレク担当として、どうお声かけしたらいいか。

お声掛けで「字のふるえ」が改善したケースがありましたので、今回はこのお話しです。

 

【 書道に表れてしまう「手のふるえ(字のふるえ)」の原因 】

以下の視点でアドバイスすると、改善できることがあります。

 

①筆に含ませる墨汁が少ない

 たっぷり墨を含ませた方が、程よく滲みが出て、線の震えが目立ちません。

しっかり墨を含ませるだけで書き心地も良くなり、見た目にも堂々と表現できます。

 

②筆が寝てしまっている

筆を寝かせて書くと、筆の穂の腹が目立ち、それが震えのように表れてしまいます。

(上記画像の利用者さん作品は、まさにこのケースです。)

筆をしっかりと立てるだけで、震えのない綺麗な線になります。

 

③少ない枚数で断念されてしまう・・

①・②の声掛けをした上で、数枚書いても変わらず、「やっぱり震えちゃうでしょ」という声もありました。

ですが、やはり枚数を積めばその分、改善します。

 

こちらの画像、同じ方の作品を撮らせて頂きました。

1枚目から比べてみると一目瞭然です。

途中書く字を変更されましたが、

①→④と線が変化し、④が一番最後の9枚目に書かれた作品です。

 

謙遜されていましたが、最初と最後の作品をお見せするとその方も「そうね」と、少し驚きながら喜んでいらっしゃいました。


練習を積み重ねての変化が見てわかり、ご満足頂けて本当に良かったです!

 

とても集中して、何枚もチャレンジされていました。

自信のなさを見せながらも、書き始めた途端に変わる表情・姿勢。素晴らしいです!

 

※そのほかの要因として、

半紙が合わない(墨が染込みにくく滲みの出にくい半紙、つるつるした半紙を使っている)

このことも、震えが目立つ要因になり得ます。



【まとめ】

①「墨をたっぷり含ませる」

②「筆をもっと立てて」

2,3枚でダメと諦めずに

③「5,6枚あたりから変化」が現れます。


なお、手の麻痺等で無理を出来ない方もいらっしゃるかと思います。ご本人と相談しながらペースを合わせて、進めていきたいですね。


介護士さんが励ましのお声掛けをして、もう1枚の意欲へと繋がりますように。

 

少しでも利用者さんに「字の変化」を感じて頂けたら嬉しいです。