高齢者施設のレクリエーションやアクティビティ担当者向けの書道・習字レク用手本集のご紹介です。
介護士の私が初めて書道レクを実施する時、「何を手本として使うか?」の壁にぶつかりました。手持ちの競書、古典書などの書道本を集めてみましたが、ちょうど良いものが中々見つかりません。インターネットで無料手本を入手することもできますが、継続していくには不安がありました。
「通年使用できる書道レク用の手本集があったら、きっと便利」
そんな私自身の思いが、刊行のきっかけとなりました。
様々な利用者さんに対応できるように、やさしめな字から少々難易度高めの字まで集めています。介護士さんが「今月の言葉」として1つ選んでもいいですし、書きたい言葉を利用者さん自身に見つけていただいてもいいですね。
「なんて読む?」「どんな意味?」「これ綺麗ね」「美味しいのよね」「懐かしいわ」・・・そんな会話がスタッフさんや利用者さん同士、広がるといいなと思います。
昔をなつかしみ、景色が広がるような、五感を刺激する言葉を選びました。
本書はそのまま使えるお手本の形ですが、「題材」を提供したいという思いで製作しました。
お好みの題材(=言葉)が見つかれば、それぞれの方が思い思いに、自分色の文字で練習に没頭されます。
高齢者向け書道レクでは、「上手い・下手」よりも、利用者さんが「書くことを楽しむ」ために支援していきたいものですね。
本書を通じて、介護士さんがレクリエーションで書道を継続できるように、利用者さんの毎月の楽しみとなるように願っています。
*書体は多く好まれる「楷書体」をメインに掲載し、少し線をつなげた「行書体」も数種類取り入れました。
季節の言葉を1ページに1手本として掲載しています(月ごとに6~8種紹介)
※本がB5サイズのため、
拡大コピー(120%程度)でA4サイズの用紙に印刷しての使用をおすすめします。
「この言葉は何という意味?」
「何と書いてあるの?」
利用者さんからの質問に答えてさし上げられるように掲載しました。
書く言葉で迷っている方に、
「これはこういう意味なんですって」とお伝えし、イメージがふくらむように。
すべての言葉にちょっとの解説付き。
固い雰囲気で書くよりも、
楽しい雰囲気で 会話が広がりますように。
渡部紫香(わたなべ しこう)
書道師範/介護福祉士。老人ホームで介護士として働きながら、2015年より書道レク講師として活動開始。
「高齢者施設で書道を続けていきたい」、そんな介護士さん・利用者さんの思いを大事にしています。